お前がいるから俺はここまでこれたんだ
だから お前のために頑張るよ
ちゃんと見てろよ?
ホームラン
【野球部 甲子園出場決定】
「和也!よかったね、甲子園だよ!」
和也「おう!だって約束したし?」
「約束?」
和也「何、お前忘れてんの?んだよーお前が言ったんだぞ」
「えー…(汗)………あ、去年の?」
和也「そうそう。思い出した?」
『和也凄いね!エースでしょ?』
和也『うん、一応な〜』
『一応って。私見ててわかるよ。和也、一番上手いもん』
和也『ほんと?』
『ほんとほんと!だから頑張って甲子園目指してね!私、甲子園行きたい。連れてってよ?』
和也「約束守ったかんな?」
【新素高 対 勝運高】
「新素高とやるんだね〜」
和也「みたい。あーちょっと緊張してきたー…」
「大丈夫だよ!頑張ってね!」
和也「あぁ、さんきゅ!じゃあ、お前のためにホームラン打ってやるよ!」
新素高との試合が始まった
和也はピッチャーをやっている
野球をしているときの和也は真剣そのもので
一番輝いてる
人一倍、いや、人三倍頑張っている和也に私は恋したんだ
「あ、次和也だ!和也ー!頑張れー!ホームランって約束ちゃんと守れよー!!」
和也が一旦私のいる客席のほうを見た
”任せろ”と言っているように私ににっこり笑いかけてきた
今勝運高は絶好のチャンスで満塁
相手のピッチャーがボールを投げる
そのときだけ時間が止まり、ボールがゆっくり和也に近づいているように見えた
あと3m…あと2m…
和也のバットを握る手にも力が入る
”ホームラン!”
そう心で叫んだとき
ボールがバットに当たり、切れのいい音が会場に響き渡った
カキーーーーーーーンッ!!!!
どっと会場に歓声を運んだ
「やった…ホームランだ…」
1塁、2塁、3塁と嬉しそうな顔で走っていく和也
チームの皆も嬉しそうに和也を出迎え、”よくやった!”と声を掛ける
私は急いで和也のもとへ行き
「和也!すごいよ!本当すごい!」
和也「、俺約束果たしたよ!お前のためにホームラン打ったから!」
「うん、見てた、ちゃんと見てたよ!すごいね!」
試合は5 対 8で勝運高が勝った
勝因はやっぱり、和也のホームランだね
伝わったよ
私のために打ってくれたホームラン
+END+